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─次の日、亮の姿が見えなかった。
昨日の寒さ我慢大会で、相当冷えたから休んだのだろう。そう思っていた、が一週間も見えないと流石におかしいと思い始めた。
亮との連絡は、連絡名簿を使ってやってみたが、応答無し。
友達にも電話したが、知らないらしい。
こうなれば、あの大会会場へ行くしかない。
会場には、小屋のようなものだけがあった。
おかしい。大会はもう終わったはず。なのにまだこれだけあるなんて。
小屋のようなものに近ずき、ドアを開けた。
するとそこには、冷凍食品が積まれていた。普段は保管場所として使われているようだ。
念の為、隅々まで探した。そして驚くべきことに、亮がねていた。
─こいつ、寒い場所が気に入ったのか?
何て呑気なことを考えていると、鍵が閉まる音がした。
─は?嘘だろ?閉じ込められた?
取り敢えず、亮を起こそうと思って触ると、とても冷たかった。それは、まるで生きていないかのように。
「なぁー亮…返事しろよ、バカ」
─まさか…!
その瞬間、俺は焦りだした。
脈を確認をして、現実を叩きつけられた。
亮は…もう…生きていない。
おそらく、こんな寒い場所にずっと居たからだろう。
─待てよ…俺もずっと居たら亮のように…
俺は叩いた。壁を、ドアを、天井を。
しかし、全て開かないし窓も無い。
さらには、電話も出来ないときた。
─やばいヤバイヤバイ!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!
俺は焦りに焦った。そして、ただただ叩き続けた。
「助けてくれ!助けてくれ!!助けてくれ!!!」
何度も叫んだ。何度も助けを求めた。
そしたら、誰かの声がきこえた。
「此処だ!此処に居る!!」
「何でこんな所に…」
希望の光に見えた。すぐに冷凍室から出て
「ありがとう…!」
心の底から感謝した。その人は冷凍室の管理人だと後から知った。
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