原案(あらすじ)

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原案(あらすじ)

【あらすじ】  空太と千鶴が目覚めると、そこは屋上階段の踊り場だった。階段を駆け上ると「立ち入り禁止」と書かれた扉がある。警備員に見つかり、二人は連れ戻される。しかし二人は笑い合っていた。  時は巻き戻る。ある日、空太と千鶴は少年サッカーの試合で大負けした。数日後、傷心のコーチが失踪する。サッカークラブの面々はあの情けないコーチが好きだった。彼らはコーチの帰りを待ち、練習メニューを自分たちで作る事にした。  空太は図書館にやって来た。千鶴の提案でサッカーの練習方法について調べに来たのだ。本を見て回る二人。空太の好きな恐竜の本もある。ふと館内をのそのそと歩くアトサキが目に入る。カメラを持ち、見るからに怪しい。つけてみようと空太が言う。アトサキはエレベーターの▲ボタンを押し、上に行く。二人がエレベーターの表示を見上げると、彼らがいる二階より上の階は存在しない事になっていた。顔を見合わせ、二人も▲ボタンを押してみる。だが、ランプはつかず、戻って来たエレベーターは空だった。  それをきっかけに二人はアトサキを尾行し、何度かの失敗の後、上の階へ行く事ができた。エレベーターの扉が開くとそこは植物園のようになっていた。妙な生き物の鳴き声がしている。恐竜の声じゃないか、と空太が思っていると、カメラのレンズが見えた。二人で石を蹴りつけると、アトサキが転がり出てくる。彼は「長い長いキネマトグラフ」なるものを撮影しているという。「君達が主演なんだ」とアトサキはまるで心を見通すかのように二人の置かれている状況を弁士のように語っていく。自分に才能がないと思っている空太、サッカーを続けたい千鶴。互いが抱えていた想いと問題を空太と千鶴は知る。「解決方法なんて存在しない人生(ものがたり)を歩む君らを、人を、僕は撮影し続けるのさ」そうしてアトサキは大きなストロボを焚いた。冒頭へ戻る。
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