エトワル~夏の夜空に煌めく星は~

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 何が起きたのかわからず、晃一は呆然とした。 「今のは何だ?」 「瞬間的に空間を移動した。一昨日もそうやって帰ってきたのだぞ」  説明しながら家に上がる。 「それって、力を使うんじゃないのか?」  晃一はヴィンセントの腕から下りようとしたが、そのまま二階の自室まで運ばれた。 「ああ。人間が走る程度にな。昨日は極限状態に陥ってしまったが、今は平気だ。たっぷりといただいたのでな」  艶やかに微笑まれ、晃一はわけもなく赤くなった。 「オレの血でよければ、いつだってくれてやる」 「お前の血だから欲しいのだ」  てらいもなく言われ、さらに真っ赤になった。同時にヴィンセントに求められているのだとわかり、たとえようもなく嬉しくなった。 「これからは少しずついただくことにしよう。吸いすぎると、今度はコーイチが倒れてしまう」  そう言ってベッドに寝かせ、首筋にキスをした。 「別に、平気だ」  病人扱いされては困ると起き上がりかけたが、「いいから寝てろ」と戻された。 「怪我人が無理をするな。ほら、体が熱い。熱が出てきたのではないか?」  そう言われては反論の余地もなかった。 「それに、ここならば二人でゆっくりと過ごせるだろう?」 「何……んっ」     
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