エトワル~夏の夜空に煌めく星は~

102/114

71人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
 ヴィンセントは覆いかぶさるようにして、晃一の口をふさいだ。  重ねるだけの穏やかなキスから一転、舌を差し込まれ、口腔をねっとりと舐めまわされる。舌を絡めとられると、ゾクリッ、と腰が震えた。一気に下半身に熱が集まる。己のものが張り詰めていく感覚に、晃一は慌てた。  ヴィンセントの浴衣を掴み、引き離そうともがく。 「……何だ、いやか?」  唇を離したヴィンセントが不思議そうに首を傾げた。そして、優美な手が晃一の下半身に伸ばされ、浴衣の上から撫で上げた。ささやかな刺激に、晃一は小さく呻いた。 「うぁっ……イヤ、じゃない……」 「フフ、素直だな。では、初めてか?」  顔から火が出そうになった。下半身を触られながら聞かれたくない質問だった。けれど、嘘はつけず、かすかに首を縦に振る。 「そうか……ならば、存分にかわいがってやろう」  手早く帯を解かれ、大きく浴衣をはだけられる。汗ばんだ肌が夜気に触れて一瞬ひやりとするが、すぐにヴィンセントの熱い体がのしかかってきた。 「ヴィンセント、待て……ん、んんっ」  下着の上から先ほどよりも強く握りこまれ、上擦った声が漏れそうになる。晃一はきつく唇を噛みしめた。 「何を躊躇う。好いた者と繋がりたいと思うのは自然な欲求だろう」     
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加