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異彩な空気をもつ三人組に、こいつらヤクザだなと直感した。
「遅かったな、コーイチ」
ヴィンセントは顔を動かし、晃一に向かって言った。
「ああ。仏壇に供える花を買っていたから」
「花ね。ガキのくせに信心深いこった。神サマ仏サマ、この小汚ねえ店に救いの手を! 何つって」
痩せぎすのチンピラが馬鹿にしたようにせせら笑った。その隣で、小太りのチンピラがにやにやとしている。その様に、晃一はカチンときた。
「ヤクザがうちに何の用だ。あんたらみたいな下衆に売るものは一つもない」
「ああ? 誰に向かって口きいてやがる、クソガキッ!」
「ナマ言ってんじゃねえぞ、コラ」
いきり立つ二人に、晃一は負けじとにらみ返した。
「うるせぇぞ、てめぇらっ!」
長身の男が一喝した。
「悪いな、坊主。躾がなってなくて」
男は口の端を上げて笑った。
「ついさっき、この兄さんにも名乗ったばかりだが、オレはこういうモンだ」
そう言って、名刺を差し出した。そこには『ギャラリー曙・オーナー東郷清輝』とあった。
「今日はビジネスの話をしに来たんだ。この店の店主は相当の目利きと聞いてな。坊主、ここの店主の孫か?」
名刺を受け取りながら頷く。
「そうか。すまんが、じいさんに用があるんだ。呼んできてくれないか」
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