エトワル~夏の夜空に煌めく星は~

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 ヴィンセントと出会ったから。  ヴィンセントの前では自然体でいられるから。  ヴィンセントに……恋をしたから。  今まで知らなかった感情や自分の一面がポンポンと飛び出してくる。  ただ話をしているだけで心が弾んだり、ふとした拍子に目が合っただけで心拍数が跳ね上がったり、クロードを偲ぶ姿に胸が締めつけられたり、落ち着く間もない。  自分の心をこんなに引っ掻き回すのは、後にも先にもきっとヴィンセントだけだろう。  そんな風に思い込んでしまう自分の幼さに呆れつつ、そう思えてしまうほどヴィンセントに夢中なのだ。 「ヴィンセントがいたから……じいさん居なくて退屈していたし」 「フ、ヤイチの代わりか?」 「代わりじゃない。そうじゃなくて、その、何ていうか……」  適切な言葉が見つからない。  血の繋がった家族ではない。友人とも違う気がする。一方的に晃一が好きなだけで、この関係には名前すらない。その事実が少し寂しい。  晃一は途方に暮れたように呟いた。 「……好きなんだ」  覚悟を決めたわけでも勢い余ったわけでもない。  それしか言葉が出てこなかった。 「ヴィンセントが」  まともに顔を見ることができなかった。  沈黙がひどく長い。 「そうか」     
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