エトワル~夏の夜空に煌めく星は~

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 ポンッ、と小気味いい音を立てて、夏の夜空に花が舞う。朱、藍、緑、橙と彩り豊かに小さな花や見事な大輪が一瞬咲いては散っていく。  その光がヴィンセントの白い肌に映え、晃一はその横顔に見入っていた。 「美しいな」 「ああ」  ヴィンセントの呟きにつられて頷く。 「私ばかり見てどうする」  ヴィンセントが苦笑した。 「花火はあっちだぞ」 「……オレは、ヴィンセントを見ていたい」 「コーイチ?」  うっかり本音を言ってしまった。顔が熱くなる。けれど、一度口を開いてしまうと止まらなかった。 「これからもずっと、ヴィンセントと一緒にいたい。同じ時間を過ごしていきたい」 「コーイチ、それは」 「わかっている。オレとヴィンセントでは時間の感覚が違う。クロードのことを誰よりも大切に想っていることも知っている。だけど、もう一度だけ言わせてくれ。ヴィンセントが好きなんだ」  一気に思いの丈を叩きつけた。  二度と告げることはないと思っていたのに。  半分自棄、半分玉砕覚悟の二度目の告白である。  ヴィンセントは考えあぐねた様子で尋ねた。 「それはつまり、私を恋い慕っているという意味か?」  改めて言われると恥ずかしいが、晃一は首肯した。 「前にキス……したし、好きだとも言ったじゃないか」  どうやら丸っきり伝わっていなかったらしい。     
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