それぞれの思惑…

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見た事もない造りの屋敷…見た事もない美術工芸品… 見た事のない花が咲き誇る庭… 織田家を高々田舎の出来星大名と油断していた… 恐らく…織田家には今までの格式だの名誉だのは通用しない…のが解る… 古さに価値を求めないと…この部屋が藤孝に言っているのである。 そう…織田家には新しい価値ある物を生み出す力や新たな価値観がもう出来上がっていると見て良いだろう… 前回、明智光秀が上洛を断られたと聞いて内心では驚いていたが…この屋敷に来て…それも道理と頷けるのである。 それでは…困る… どうすれば…良い… 正直…上洛をしこの将軍の弟を将軍にしなければ…今までの苦労はすべて水の泡である。 どうにかして…織田を立たさねば… 藤孝は悩む… 価値観が違う者… どのようにすれば…良いのか… 一方、光秀は…あれから二年…将軍の御舎弟とともに方々転々として来たが… 御舎弟にある物は… 「血筋」のみであると言う事がしみじみと解った。 自分が「将軍」になる ただそれは決定事項のように… ただ…将軍になりたい それだけなのである。 光秀はこの先、織田に仕官しようと腹を決めていた。 将軍の御舎弟に仕えても…先がないと判るからである。
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