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すると、間髪入れずに細川藤孝が、信長に問う
「織田殿、御舎弟様は上洛を希望なされておいでです!織田殿のお力添えを持って是非御願い申し上げたい!」
信長は義昭の方をみる…
「むっ無論じゃ!余は都に帰参をしたい!」
「分かりました!では京の都までお送り致しましょう」
「それは…誠か!」
「嘘をついてどうなりましょうや?」
「それは有り難い!織田殿!」
「それにつきましてでござるが、生憎…途中からは他国故に…」
「上洛までの道筋の大名に織田殿に従うよう文を書きましょう!」
「当方にも一筆願いたく…」
「無論!」
「では!その旨の誓紙を賜りたい!」
「承った!」
その場で直ぐに信長と義昭の証文のやり取りが行われていったのであった。
「して!余は、いつ都に向かえるのじゃ?」
「何を言っておられまする?今すぐ出立致す所存!さあ!お仕度を!」
義昭と藤孝は顔を見合せる…
「すまぬが…一日休ませてくれぬか…」
こうして…足利義昭の悲願である上洛は決まったのであった。
出立は三日の後と決まった。
その間に近畿の大名に使者として走る細川藤孝と明智光秀…
休む暇もなく…精根尽き果てたような顔の二人を尻目に予定通りに三日後の早朝、織田軍総勢五万が出陣するのであった。
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