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北近江では、織田の同盟関係にある浅井長政が将軍の舎弟足利義昭を出迎え宴を催す。
次の日には南近江に入るが…戦闘もなく、まるで物見遊山が如く軍はのんびりとした足取りで京に向かい進んでいく。
と言うのも先鋒には匠が藤沢軍を指揮しており、六角勢を次々と降しているからである!
岐阜より軍を発し五日目には六角勢全てを降し織田軍は観音寺城に入城したのであった。
信長は直ぐ様南近江の国人や豪族と面会し所領を安堵してやった。
南近江の衆にも将軍の舎弟に面会を許し義昭は面目を保つのであった。
義昭は、将軍の舎弟である自分にひれ伏し戦はなかった物と思っている。
逆に…細川藤孝、明智光秀の両名は観音寺城の至るところに戦の跡を見付けていた…
「行軍が緩やかなのは…我らに戦を見せぬ為…」
藤孝は呟く…
「織田軍は何処まで強いのか…計り知れませぬな…」
「次は我らとの戦をも…知れぬ故の警戒か…」
「流石にそれは…」
「しかし…知らぬが仏と言うが…」
「拙者は…御舎弟様が上洛を果たしましたら…織田家に仕官しようと思っており申す…」
「義昭様を見限るか…明智殿…」
「…役職だけでは…飯は食うて行けませぬ故…」
「わしも…考え時なのかも知れぬ…の…」
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