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藤孝は今回…義昭を見ていて…担ぐ人物を間違えたと後悔していた。
いくら僧籍であったとしても…世間知らずもいい所である…
威光のみで上洛を果たせるならば、とっくに都に帰参している。
そもそも…威光があるならば、十三代様が討たれる事などなかったのだから…
「世の中そんなに甘くない」
藤孝は義昭にそう言ってやりたかった…
一方その頃、
匠とは言うと…
大和の松永、筒井、柳生を降し、
大和の衆を河内に向かわせていた。
同時に大津を抑え摂津に足を踏み入れる。
摂津の国衆はほぼ調略済みである。
摂津の荒木、中山、池田などを先陣とし摂津側からも河内へと軍を進める!
河内の堺衆はいち早く織田に恭順し軍資金にと献金して来たが…匠はそれを断った。
「藤沢様…銭は受け取れぬと申されますか…」
「我らは押し込み強盗に有らず!でござれば」
「あくまで軍資金にございますれば!」
「ならばこの献金で自治を認めさせよう云々の下心はないと?」
「自治を認めてはくれませぬか…」
「次にまた何処ぞに攻められた折りにまた何処ぞに靡かれては…たまらぬ故な」
「強き者に靡く…我らは商人でござれば…」
「それは自治に在らず!」
「なんと…」
「自治を認めて欲しくば、自衛までするべきだと拙者は思うのだが?いかに?」
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