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「それは…」
「三好家では目先の銭で転んだだろうが、織田家ではそうはいかない!商人だと言うならば、我らが納得する利を示されよ!」
「ですから銭を…」
「堺衆の商人が年間どの位稼いでおるのか、拙者が知らぬと思うての事か?」
匠は調べ尽くされている堺衆の収入を記した書を見せる…
「こっこれは…」
「農民は採れ高の半分以上の米を年貢として納めておる。商人は精々一割…軍資金にしてもそなたら商人衆からすれば微々たる物であろう?」
「…」
「しかも、貧しき者から買い叩きそれを高値で売り捌く遣り様、これで自治を認めよとは虫が良すぎるのではないか?」
「我らは商人でござれば…物流で利を得るのは致し方なく…」
「我らは武士だ!と申せばおぬしは納得するのであるか?」
「…」
「拙者は利を商人を否定しておるのではない、暴利が過ぎると申しているのだ!暴利を得て、自衛に費やすならば、まだ良かろう!だが、自衛はせず銭を惜しみ強者に靡く!それでは自治は認めてやれないと申しておるのだ!」
「ならば…刃向かえと申されるか…」
「刃向かうならば、是非も無し!我らは武士だからなっ!持ち帰り商人衆で談合せよ!一日だけ待つ!良いな?」
「はい…」
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