それぞれの思惑…

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堺衆の代表との面会が終わると… 「殿は商人に理解があると思うておりましたが…中々手厳しい…」 「一豊、暴利を得るのが商人ではないぞ!わしは真っ当に商いをする者は庇護するが、そうでない者には容赦はせぬ」 「なるほど…商人にも善悪があると…」 「善悪ではない、欲の強弱である」 「欲の強弱…」 「一豊、商いで一番に大切な物はなんだか分かるか?」 「それは信用でござろう!」 「信用があれば商人は成り立つか?」 「信用が第一と思いますが?」 「信用は何に対してのものか?」 「それは相手に対して…なるほど…相手!つまり人にござるか!」 「人無くば商いも何も無い!人こそ大切であると心得よ!」 「ははっ!」 「武家においても、人無くば成り立たぬ!人がいてこその領地であり国であるのだぞ」 「御教授有り難く!」 「うむ!して、大和の者たちは?」 「三好勢を追い込み城を囲っているとの事!」 「その旨の伝令は?」 「既に、信長様の元に!」 「うむ!」 「都には?」 「信忠様を行かそう!その方が信長様もお喜びになるだろう!」 「ではそのように!」 「頼む!」 「ははっ!」
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