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その頃南近江の観音寺城で信長は…
「御報告申し上げます!」
「うむ!」
「藤沢様より、大津を抑え、河内の三好勢、城に立て籠りまして大和衆、摂津衆がそれを囲んでいる状況、上洛の妨げは皆無との事でございます!」
「で…あるか!」
「はっ!」
「匠に、露払い大義であると伝えよ!」
「ははっ!」
藤沢家の伝令は素早い動きでその場を去っていく…
「五郎左聞いたか?」
「流石、藤沢殿にございますな!」
「一月足らずで、南近江から大和、摂津、大津を抑え河内に三好家を封じ込めおるとは…」
「これも…段取り八分と言う物でござろうか?」
五郎左こと、丹羽長秀が信長に問う
「いくら、段取り八分と申しても…ここまですんなりといくものか!」
「で…ございましょうな…」
「五郎左!明朝、出立致す事、皆に報せよ!」
「御意!」
織田軍は翌朝、南近江を出立した。
昼になれば…程好き場所に陣が用意されており、地元の衆が何彼と接待する…
信長は匠の痒い所まで手が届くような遣り様に内心で舌を巻いていた。
やがて…上洛の日を迎えた!
足利義昭は信長の手を取り涙ながらに感謝の意を伝える。
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