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「お待ち下され!拙者は部将格!先ずは御家老衆を国持ちに…」
「武家は本来、城持ち国持ちを目指す物ではないのか…なぜそうも嫌がる!?」
「拙者は生来の怠け者でと何度も言っておりまするが?」
「賞罰をもれる事無く行うのも君主の勤めぞ!匠よ!おぬしを賞せねばわしは家臣どもにどう思われるか考えてみよ!」
「拙者は小牧山で充分でござるし小牧山から離れたくござらん!」
「小牧山はおぬしの好きにして良い!」
「それに…」
「それに?なんじゃ!?」
「拙者は、信長様の側にて仕えたいのです…」
「うむ…」
「なので褒美は他の物をねだります!」
「言うてみよ?」
「拙者に嫁を都合していただけませぬか?」
「は?」
「ですから!そろそろ拙者も身を固めとうございますので、嫁を世話して下さい!」
「あっはっはっはっはっ!嫁を!嫁を所望か!分かった分かった!岐阜に帰参したら直ぐにおぬしに相応しい嫁を探そう!はっはっはっ!嫁をかっ!匠よ!はっはっはっ!」
「少し笑い過ぎでは、ござらんか?」
「いや…くっくっくっ…藤沢匠ほどの者が…くっ顔を赤くし…くくっ…わしに嫁を世話せよと言うので…つい…ぷっ!」
「拙者は嫁より子が欲しいのでございます…」
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