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「確かに山の獣は秋に活発になると聞きまする…」
「冬になれば餌が少なくなる故、その前に食いだめして身に栄養分を蓄えるのだ!故に秋以降の獣の方が肥えて旨くなる!」
「なるほど…言われてみれば…」
「故に保存するならば秋以降の猪が良いと薦めるのだ」
「なるほど!腑に落ちましてございます」
「所でわしがこの集落を見て回り思うたのだが、この辺りは水源に乏しいの?」
「はい…毎年夏頃になりますれば…作物が枯れぬか心配で…」
「ならばあの山の中腹辺りに溜め池を作り水路を設ければ良いと思うのだがの?」
「溜め池でございますか?」
「そうだ!溜め池を作って置いて雨水を溜めて置くのだ!他にも各家の屋根に雨の受けを作り樽などに水を溜めて置けば随分と楽になると思うぞ?」
徳兵衛は匠の助言を得て集落の農業用水の改善に着手したのであった。
匠は徳兵衛とともに山に入り用水を溜めるに良い地を教える。
徳兵衛は早速集落の者とともに溜め池作りを始めるのであった。
匠は集落の者たちの作業を見守りつつ山で薬草などを摘んだりしていた。
匠は摘んだ薬草を調合して集落の者たちに配る。
集落の者たちは、日に日に健康的になっていった。
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