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「それから、藤徳屋に言うて十万貫程用立てて貰ってくれ」
「その位ならば、蔵にございますが?」
「直ぐに足らなくなる」
「はっ!」
「あと…鉄砲や武具…都合五万」
「はっ!」
「もし、木下、前田氏が訪ねて来たらおぬしが用件を聞いてくれ」
「畏まりました」
「一豊にも手伝わせよ」
「助かります」
「では頼む」
「失礼致します」
「うむ!」
光秀にも軽く会釈をしてその場を後にする龍興
光秀は…唖然とした顔をしていた…
次に藤倉徳兵衛が居間に顔を出す
「殿、久し振りでございます!」
「丁度良い!明智殿、これが我が家の重鎮、藤倉徳兵衛でござる!」
「明智光秀と申す…この度藤沢殿の与力として配下に加わった者です。お見知りおきを」
「御丁寧に痛み入ります!しかし…明智殿は運が良い!殿の配下になるなんて!」
「…はあ……」
「所で徳兵衛、おぬしにちと骨をおって貰いたい」
「なんなりと!」
「銭五万貫で米を買えるだけ買って来てくれぬか?」
「はて?小牧の米倉には三十万石は備蓄してある筈でござるが…」
「ぜんぜん足らぬ…」
「分かりました!私に頼むと言う事は…ようござる!お任せくだされ!」
「なるべく言い値でな!」
「分かっております」
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