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光秀は混乱していた…
目の前で行われている藤沢家の指図…
全く意味が分からない…
一万貫の銭?十万貫を借り受ける?三十万石の米では足りない?
どこぞの大名家の評定でもそんな大金や米の話など出てこないであろう…
自分は化かされているのか…
「失礼しやす!師匠!大量に材を仕入れて参りやした!」
「おぉ!甚八!丁度良い!此方明智光秀殿だ!わしの与力として働いて貰うので覚えておけ!」
「へい!お初に御目にかかりやす!藤工の棟梁甚八でございやす!お見知りおき下さい」
「あ…あの藤工のっ?」
「あの藤工だなんて!明智様!嬉しい事を言ってくれるねぇ!」
「これ!甚八、初対面で軽口はよせ!それより、これからありとあらゆる物の生産を倍にして欲しいが、出来るか?」
「ばっ倍に…出来ぬと言うのは職人に在らずでございやしたねっ!師匠…いや!大棟梁の頼みとあってはやらない訳にはいきませんぜ!」
「手抜きは許さぬぞ!」
「無論でごさいやすよ!そんな事すりゃ!破門になっちまいます!任せてくだせぇ!」
「あぁ!宜しく頼む」
「では!御免なすって!」
「うむ!」
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