龍興のけじめ

8/8

1183人が本棚に入れています
本棚に追加
/321ページ
「重治よ、わしは出来ぬ者には言わぬぞ!それを踏まえよ!」 「!!!」 「頼むぞ!重治」 「御意!」 半兵衛は思う… 龍興が言うように…殿に楽をさせる事は不可能だ… この藤沢匠と言う人間は、自ら更に何かしらを成す為に尽力を続ける… 我らが働くだけ、更に先に手を伸ばして… 人には限度があると言うが…この藤沢匠には限度が見えないのだ… 想像は無限… 知る事、見た物、関わる人間…頭の中にある限り… 出来る限りではなく…やるのだ… とんでもない主を持ってしまった… だが…後悔はない! やるのみである! 彼も人、我も人なり! 鳳と亀程の差があろうと… やるしかないのだ! 半兵衛は新たなる志を抱き日々を働く! そして…三年の歳月が流れた頃… 越中、紀伊の攻略達成に成功した。 丹波、丹後、大和、南近江の方も各々民心も得て上手く支配している。 信長の直轄地も開発も上手くいき、民は皆織田家を慕うようになった。 宗徒が激減し経営が成り立たなくなった本願寺には、寺院を京に移す事を条件に織田家の庇護を受ける事になり、摂津の地は争う事なく織田家の領地となったのであった。
/321ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1183人が本棚に入れています
本棚に追加