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その頃…京の将軍家は秘密裏に越前の朝倉家に近付き後ろ楯となって貰うよう打診していた。
山城の領地で何とか二千の兵を徴兵し守備に当たらせていたが…心許ない為である。
織田家は、自領の事に精を出すばかりで、いざと言う時に助けてくれるのか?と言う不安も手伝っての行動である。
信長は将軍家のそんな動きが面白くない。
信長の呼び掛けで新たに将軍となった義昭への拝謁の儀にも応じなかった朝倉家…
信長は自領も落ち着いたのを見計らい、傘下の大名に声を掛け京にて相撲興行を行う事にしたのであった。
その事を匠が知ったのは、三河の徳川家が岐阜に挨拶に来て、信長とともに京に向かった後の事である…
匠は直ぐに行動を開始する。
「龍興、一豊、事は一刻を争う!打合せ通りに頼むぞ!」
「「御意!」」
「半兵衛はこの手紙を持って、信忠様の元に」
「御意!」
「此度はわしも出張る!皆頼んだ!」
「「「御意」」」
この日から、藤沢家の所領や城下の屋敷から次々に兵たちが消えていくのであった…
京にて相撲興行を開き、都の町の衆は元より、天皇家、公家、将軍家を喜ばせた信長は京を出立し北近江を抜けそのまま北上する…
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