信長の誤算

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松永弾正を道案内にし無事に京に逃げ切った信長… 直ぐ様摂津に向かい軍を興す! 南近江の織田信忠に出陣の指図をし一路北近江を目指すのであった。 南近江に到着すると…織田信忠は平服で信長を迎える… 「信忠!なんだ!その姿はっ!」 「父上、御無事で何よりにござる!」 「これから戦ぞっ!何を悠長に構えておるっ!」 「父上、先ずは落ち着いて下され!」 「これが落ち着いていられようかっ!」 「北近江、越前は既に藤沢殿が抑えてござる!戦は無用にござる」 「今…何と申した…?」 「ですから…もう戦は無用にございますよ!父上」 「たわけた事を申すなっ!信忠!わしが挟み撃ちの策に嵌まりそうになってからまだ十日もたってないのだぞ!?幾ら匠でも……それは誠か?信忠!?」 「嘘などついてどうなり申すか…父上」 すると…前方から馬に乗って近付いてくる一行… 「信長様、御苦労に存じます…」 馬を降りて頭を下げる藤沢匠 「匠!此度は大義である!浅井朝倉の首は何処だ!?」 「その前に…拙者に褒美を下され!」 「おぬしが…褒美をなどとは珍しい…何が所望だ!」 「越前、北近江の支配を!」 「おぉ!許すっ!許すぞ!おぬしもやっと欲が出てきたか!良い!」 「有り難き幸せ!」
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