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「浅井朝倉の者全て当方で家臣として使わせて頂く所存にござれば…御許し願いたく…」
「何…を…申すか…あ奴等を許せと申すかっ!」
「許せぬと申されますか?」
「匠よ…そればかりは…許せぬわ…」
「ならば…既にあの者らは拙者に服従し我が家臣としましたので、家臣の責は主たる拙者が受けましょう!」
そう言うと…その場に座る匠
「なんのつもりじゃ…」
「さあ!首をおはね下され!」
「しっ…師匠…」
匠の思い切った行動に驚愕する信忠…
「匠よ…おぬしは狡い…」
信長は肩の力が抜けたように脱力して匠に言う。
「信長様が斬れないと申すならば、自ら腹を切りましょう!大事か小事かも見極められぬ主を持った拙者の落ち度にござれば…」
そう言うと…脇差しを抜く匠…
「待てっ!」
「師匠っ!」
信長と信忠が同時に匠に飛び付く!
「お離し下されっ!そもそも…拙者に言わずに越前への攻略を決めたは、既に拙者を煙たがっての事!」
「違うっ!違うぞっ!匠!それは違うっ!」
「ならばなぜでござるっ!?」
「それは…」
「私情にての事だからにござるか?」
「…で…ある…」
「にも…関わらず…事上手くいかず裏切られたと首を所望してござるのか?」
「…裏切りは…裏切りじゃ…」
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