信長の誤算

7/9

1183人が本棚に入れています
本棚に追加
/321ページ
「浅井朝倉の者全て当方で家臣として使わせて頂く所存にござれば…御許し願いたく…」 「何…を…申すか…あ奴等を許せと申すかっ!」 「許せぬと申されますか?」 「匠よ…そればかりは…許せぬわ…」 「ならば…既にあの者らは拙者に服従し我が家臣としましたので、家臣の責は主たる拙者が受けましょう!」 そう言うと…その場に座る匠 「なんのつもりじゃ…」 「さあ!首をおはね下され!」 「しっ…師匠…」 匠の思い切った行動に驚愕する信忠… 「匠よ…おぬしは狡い…」 信長は肩の力が抜けたように脱力して匠に言う。 「信長様が斬れないと申すならば、自ら腹を切りましょう!大事か小事かも見極められぬ主を持った拙者の落ち度にござれば…」 そう言うと…脇差しを抜く匠… 「待てっ!」 「師匠っ!」 信長と信忠が同時に匠に飛び付く! 「お離し下されっ!そもそも…拙者に言わずに越前への攻略を決めたは、既に拙者を煙たがっての事!」 「違うっ!違うぞっ!匠!それは違うっ!」 「ならばなぜでござるっ!?」 「それは…」 「私情にての事だからにござるか?」 「…で…ある…」 「にも…関わらず…事上手くいかず裏切られたと首を所望してござるのか?」 「…裏切りは…裏切りじゃ…」
/321ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1183人が本棚に入れています
本棚に追加