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農閑期も休まずに働く集落の者たち
匠は集落の者たちに陶芸を教え竹細工を教え商人と取引をし銭を稼ぐ。
その銭は全て徳兵衛に渡し徳兵衛から集落の者や小作人たちに分配して貰うのであった。
やがて春が訪れた頃、匠は木の箱を山の至る所に設置し始めた。
徳兵衛は不思議に思い聞いてみた。
「藤沢様、あの箱は何の箱でございますか?」
「おぉ!あれは蜂箱だ!」
「蜂箱?」
「左様、あの箱に蜜蜂が巣を作れば蜜が得られ巣は蝋燭になる!」
「そのような事が出来るのでございますか?」
「前に文献で読んでの?物は試しとやってみた!」
「なるほど…上手くいくと良いですな!」
「所で徳兵衛殿、物は相談だが…」
「相談などと水臭い事を…藤沢様の尽力でこの集落は飢える者もなく、皆人並みに暮らせております!何でもおっしゃってくださいませ!」
「その事だ!余りに裕福になると、近隣の目もある…でなっ?集落から商才や算術が出来る者を選び商売を始めてはどうかの?」
「商売を…でございますか?」
「あぁ!清須の城下に店を出すのよ!」
「店をでございますか!?」
「良いか?徳兵衛殿は近隣の村々にわしが教えた事を教えて回る」
「はぁ…」
「それを一手にこの集落で興した商家が買い取る!」
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