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しかし…工事は予想を遥かに越え目まぐるしい早さで進んでいく…
織田家中の面々が、一致団結し藤沢家に梃子入れを申し出たからであった!
当主の信長までもが、自ら城造りに出張ってくる程である…
入れ替わり立ち替わり織田家の武将たちが藤沢領内に顔を見せては工事を手助けしていくのである。
工事が始まり半年が過ぎた頃…徳川家康が嫡子の信康とともに北近江の匠の元を訪れたのであった。
「これは徳川殿、このような所までわざわざのお越し忝なく存ずる!」
琵琶湖の北側にて築城の現場に足を運んで来た家康に挨拶をする匠
「いやいや!藤沢殿が面白い普請にて城を築くと噂を聴いて後学の為に見学に参った次第、信長様も一見の価値有りと仰有っておいでであったのでの!」
「未だ仮屋敷しかなく不便でござるが、御好きなだけ滞在なさって下され!」
「忝ない!」
現場を廻り色々と説明する匠、その技術力に内心驚愕しているが…面には出さずに見学する家康、その逆に声をあげて感心し色々と質問をする信康や徳川家の家臣たち
「何しろ…当家は田舎者揃い…」
それを苦笑いで匠に頭を下げる家康であった。
上半身裸でもっこを担ぐ二人組が一行の目の前に止まる。
「おぉ!家康殿に信康!来ておったかっ!」
ほっかむりを外し汗を拭いながら近付く人足…
徳川家臣が皆、刀に手を…
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