大名として…

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翌日も、匠は徳川家の面々を案内して回る。 出し惜しみなく全てを見せて回る匠 家康は匠の豪胆さに心底驚いていた。 普請、町割り、治水、家康は今まで見たこともない遣り方を見学し、大いに学ぶ事が出来た。 そんなある日、匠は一席設けたいと家康を誘う。 「徳川殿、送ればせながら、歓迎の宴を開きたいと存じますがいかがでござろうか?」 「それは有り難い!わしも一度、藤沢殿と酒を酌み交わしとうござった!」 「当方の家もまだ仮住まい故、大したもてなしも叶いませぬが、家来の方も是非連れて来て下され!」 「大勢で押し掛けては…御迷惑でござろう…」 「宴は大勢の方が盛り上がりましょう!遠慮なさらずに!用意が出来次第迎えの者を差し向けましょう!」 「忙しい最中に、気遣い忝なく…」 その日は昼過ぎまで、工事を見学し、早々に宿所に引き上げた徳川家一同 家康は家臣たちにその旨を申し渡し一休みしていた。 家康や信康だけの宴の誘いならば、警戒していたであろう家臣たちも、皆連れ立ってと言う事なので一同、逆に楽しみであるかのような顔をしていた事に内心驚く家康 皆、藤沢匠の人柄に触れ心を許している印象を受ける家康
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