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「何を申す!余は正気ぞ!亡き兄の為におぬしは寺を造れぬと申すのか!?」
「上様は拙者が提出している帳簿を御覧になりませぬのか?」
「万事おぬしに任せておる!余が見る必要も無かろうて」
「将軍家の財政は既に破綻しておりますれば!無い袖は振れぬと言う事にございます!」
「破綻?そのような事がある訳なかろう!都に何人の者が住んでいるのだ!商人もおる!寺院もある!その者たちから徴収すれば良いではないか!」
「それでは皆、この地を離れてしまいますぞ!民なき地がどうなるのか…何度もお教えしたはずでござる!」
「余は将軍ぞ!文句を言う者は将軍の名において討ち果たす!」
「最早…これまで!」
席を立ち退室しようとする藤孝の背中に
「何処へいく!藤孝!おぬしがおらねば不便ではないか!これ!」
藤孝はその足で摂津に向かい信長に会い信長の配下となった。
その後…和田氏、一色氏も将軍家を離脱…
二氏ともに細川藤孝を頼り藤孝の配下として働くようになったのであった。
その事を知った足利義昭は烈火の如く怒り…その怒りはやがて…信長へと向けられるのであった…
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