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興奮する家康に待ったの声が掛かる!
「藤沢様からの伝令が、殿にお目通りを願っております!」
「たわけっ!今は戦の最中!伝令は通行勝手にせよと申していよう!直ぐに通せっ!」
通されてやって来た伝令はまだ前髪がある若者であった。
「我が主からの伝言でございます!」
「うむ!」
「三方ヶ原城の者たちは当方にてお救い申す故、後詰めは不要にござるとの事!」
「後詰め不要となっ!?」
「王将が無闇に動いては将棋にならぬとの事にございます!」
「むむっ!」
「何か返答はございましょうや?」
「…藤沢殿は三方ヶ原城をではなく三方ヶ原の者と申したのか?」
「気付かれましたか!その通りにござります!」
「…あい分かったと伝えよ!」
「分かり申した!では失礼致します!」
「待て!そなた名を何と申す?」
「大谷吉継と申します!」
「伝令ご苦労!」
「ははっ!」
その日の夜…三方ヶ原城の者たちは藤沢軍に守られながら、浜松城にやって来た。
その知らせを受けた家康は藤沢匠に会うべく城門前にて待っていた。
「これは徳川殿、わざわさの出迎え痛み入り申す」
「城の者は皆無事でござるかっ?」
「数人は犠牲になり申した…」
「我が家臣をお救い頂き感謝致す!」
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