手紙公方と甲斐の虎

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一方、織田軍本陣では… 目の前の戦況が藤沢匠の手紙通りに展開する不思議さを感じる信長… 馬防柵を移動式にする工夫…魚鱗で引く武田軍、動けば鶴翼に変わると言う予言… 「鉄砲隊を前へ!」 「はっ!」 ここで…武田の横腹を突けば…そう思った時であった! 信長の思った通りの事が起こったのだ! 「射程距離まで詰めよっ!」 信長の指図する言葉に熱が帯びる! 「御屋形様っ!横腹を突かれましたっ!」 わしが敵でもそう手を打つ… 「円陣を保てっ!」 信玄がそう言った時である! パンパンパンパン! 距離を詰めた前方の織田軍から鉄砲が撃たれた! その音は途切れる事なく続く… 信玄の元に…次々に討たれた将の名が報告される… 「最早…これまでか…」 西の空を見上げる信玄… 「御屋形様…御指図を!」 「魚鱗!そして前方織田本陣へ突撃!」 信玄は軍配を捨て刀を抜いた! そして…鳴り止まない鉄砲の音の中に… 巨星堕つ… 武田軍四万の大軍は織田軍一万五千の軍勢に殲滅されたのだ… 武田軍の背後や横腹を襲った藤沢軍と織田軍は合流し戦後処理を行う。 名のある将の首を集め綺麗に浄めて首桶にしまい、遺体は集められて荼毘に…
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