そして統一へ…

5/16
前へ
/321ページ
次へ
そうした事を防ぐ為にも匠はそのような手段を用いたのである。 またそれを逆手に取り、秘密裏に毛利家の領内の両替屋に安く手に入れた銀を運び金に両替しているのだ! 今はまだ大丈夫だが…いずれ毛利家を苦しめる事になるであろう… 通貨の銭を新たに作る事も繋がってくる。旧銭の流通を止めてしまえば良いのだ! 古い銭の一文の価値を一文以下にしてしまえば、古い銭を持つ者は目減りした分損をするのだ! ある意味、経済的戦争はもう始まっているのである。 他にも、播磨、但馬、越後の開発の手伝い等に匠は大忙しである。 産まれた娘を抱いたのもまだ二三度程である。 香は娘の雪華を産んでまたすぐに身籠った。 雪華の乳母は山内一豊の妻千代である。 千代には子がないが、香と気が合うので香が立っての願いでそうなったのだ。 香は千代と針仕事などしながら話すのが好きなのである。 千代は裁縫や手芸が好きで香から色々と教わり独特な着物などをあつらえている。 匠はそんな香の為に、綿花の栽培や羊の飼育を始めた。 北近江の冬は寒いので綿入りの着物や羊の毛から毛糸を紡ぎ毛糸の服などを作れるようにする為である。 匠は編物の方法などを書物に纏め香に贈った。
/321ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1188人が本棚に入れています
本棚に追加