清須の町にて…

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匠は単身清須の城下町に行き良い物件がないか探していた。 城下町から少し外れた場所に津島の商家の別宅が売りに出ていたのでそこを買った。 街道からは少し離れているが、周りの土地も使えるので敢えてそこにしたのだ! 早速匠は大工等の職人を集め改築を始めた。 匠は自ら図面をひきそれを大工の棟梁に見せる。 「これは…お侍様が?」 「あぁ!どうだ?出来るか?」 「出来るかって聞かれちゃ出来るって答えなきゃおりゃあ大工の看板出してねぇだよ?お侍様」 「そうか!ならば頼む!欄間だけはわしが作るからそのつもりでの?」 「お侍様が?」 「あぁ!下手の横好きって奴だが、良い味の欄間を作るぞ?」 「素人が手を出して変な物作る位なら止めた方がいいぜ?旦那!」 「取り敢えず一つ作るからそれを見てから文句を受け付けよう!」 「人斬り包丁とのみは違うってもんだ!だがそこまでおっしゃるなら旦那の腕を見せて貰いましょう!」 「あぁ!楽しみにしておけ!」 笑いながら言う匠 「もしもおいらが納得いく物が出来たらおいらはただで働いてやるよ!」 「棟梁、報酬はきちんと出す!代わりにわしが棟梁の納得いく欄間を作ったあかつきにはわしの弟子となれ!」 「弟子に?」 「あぁ!お見それ致しましたと頭を下げてわしの弟子になれ!良いの?」 「面白え!おいらも男だ!乗った!」
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