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藤沢匠は北条氏直を伴い大坂城に登城する。
匠の後に続く氏直はただ…匠の背中を見ていた…
氏直の話を聞いて…
たった一言、「拙者に任せておかれよ」
その場で直ぐ様家臣を呼び大坂に使者として派遣する匠…
その口振りは、まるで…氏直の話が全て通る事が前提のようである。
「徳川家にはわしから伝える!そうだ!氏直殿はまだ独り身であったな?」
「はい…」
「家康殿には丁度良い年頃の娘がいた筈だな?信康殿」
「確か…側室腹の…名前は忘れ申したが居り申す筈」
「あっはっはっ!家康殿は子が多いからの!」
「上州は、信包様には伊勢に移って頂き、真田に信濃を与えてやれば、丸く収まるであろう!」
そう言いながら、筆を走らせる匠…
「吉継、この文を信長様に届けよ!」
「御意!」
「読んだ後に問われたら天下の為と申し上げよ!」
「承り候」
「わしも後で向かう!そなたは大坂屋敷にて待て」
「畏まりました!」
「うむ!」
「では!行って参ります!」
「頼んだぞ!」
その後、匠は何通かの文を書いては使いの者に言付けを添えて送り出す。
浜松の徳川家、上州沼田城の真田家、信濃の織田信包へ…
「これで良し!見ていた通り手は打った!だが!これで氏政殿が従わねば氏直殿はどうする?」
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