開拓の時

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仕事が終わると、各々で酒を酌み交わしたり、温泉に入り疲れを癒したりして好きなように過ごす。 食事は賄いの者が纏めて拵えるので食堂で皆で食事をする。 武士も百姓も関係なく皆で食事をするのである。 和気あいあいとした雰囲気… 打って変わって外は極寒の白の世界… 自然とは戦わず、その時に応じて行動すれば良い。 創意工夫 人には知恵がある。 藤沢匠はそう若者たちに教える。 やがて春になると、匠は道普請を始める。 急がば回れ 利益は二の次である。 三年を掛けて、匠は室蘭の町を整備し五年を掛けて室蘭の郊外に田畑を開墾した。 六年目になると、蝦夷地の先住民アイヌ族の人々と少しづつ交流を持つようになり、七年目からは奥州からの移住者を受け入れた。 そして…十年の年月が矢のように流れた。 広大な田畑が広がる大地 蝦夷地の南側半分の開拓に成功した匠は、蝦夷地の経営を山内一豊に任せ奥州へと戻るのであった。 匠は石巻の港に併設された藤沢家の主城石巻城に入る。 織田政権が発足して十年… やっと法の整備もなり、その法に則り嫡子の自在丸を元服させて二代目藤沢匠とし、自身は遊斎と名乗りを変えた。
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