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遊斎は、二代目の匠を石巻城に残し、家族を連れて大坂に赴く。
大名の家族は大坂に住まわせる事が義務付けられたからである。
所謂、参勤交代である。
大名は一年は領地の経営一年は大坂にて勤める事が決められたので、遊斎はそれに従う。
途中、江戸に立ち寄り、徳川兄弟を家康に返した。
また、その時、徳川秀忠と遊斎の娘雪華との結婚式が執り行われたのであった。
「目出度い!これでわしの念願が叶った!」
家康は大喜びである。
「雪華を宜しくお願い致す…」
一方で…遊斎は感傷に耽っていた…
一人娘の雪華が嫁ぐ日が来るとは…
雪華は母が誂えた着物を纏い…雛壇に座っている…
妻の香も目に涙を浮かべて微笑んでそれを見ている…
遊斎は…この時代に転生して二度目の涙を溢した…
遊斎の背中をそっと擦る香…
「すまぬ…取り乱したわ…」
「女は嫁ぎ子を産んで初めて本当の幸せを得られます、なので祝ってやりましょう」
「うむ…そうだな!」
「私は旦那様のお陰で幸せを得られました、今また雪華を嫁に出せた喜びを味あわせていただいておりますよ」
「そうか…」
「私たちの幸せが次へと繋がるのです」
「うん…うん…」
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