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「わしも良き妻を得られ良き娘を嫁に出して幸せだ」
「旦那様…」
賑わう宴の中…
遊斎は感傷と歓びの狭間で妻の優しさに包まれる。
大名の婚姻は政である。
そんな中で、娘の婚姻で涙する遊斎を見て、徳川の者たちは遊斎を「人情の分かるお人である」と認識するのであった。
江戸で、真田兄弟とも別れ、遊斎は船にて再び大坂を目指すのであった。
大坂の港に船を入れて遊斎は香と大谷吉継、藤堂高虎を連れて大坂城に登る。
石田三成は二代目藤沢匠の直属の配下として石巻城に残してきた。
大谷吉継は遊斎の秘書的な立場であり、藤堂高虎は大坂詰めの責任者にするつもりで、小牧山の領地を与えるつもりである。
遊斎は香とともに本丸の信長に挨拶をする。
「関白様、お久しゅうございます」
「おぉ!匠よ…あぁ…名を変えたと報告があったが…」
「遊斎と…匠の名は倅にやりました」
「そうか!香も達者のようだな!」
「お父上も御健勝で何よりでございます」
「であるか!」
「しかし…領地に引きこもり一度もわしに顔を見せぬとは…おぬしだけぞ?」
「無役の拙者が呼ばれないのは平和な証拠と思っておりましたが?」
「おぬしはわしの娘婿ぞ?せめて年始くらいは顔を見せると思うていたわ!」
笑いながら言う信長
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