清須の町にて…

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その日から大工たちは泊まり込みで仕事をするようになった。 理由は、昼間の内は改築の作業をして、日が暮れたら匠の欄間作りを鑑賞する為である。 昼間の作業中に匠が欄間を彫り始めると気になって仕方がないと大工たちが口々に言うから…仕方がないので大工たちが作業が終わったのを見計らい匠が欄間を彫り始めると…皆が帰らず夢中になって観ているので泊まり込みとなったのだった… 仕方がないので、匠は昼間は飾り金具の彫金を始めた… カンカンカンカン トントントントン ふと見上げると大工たちが集まって来ていた… 「旦那…器用にも程って物がございましょ?」 匠は首を傾げる… 「のみを持たせりゃ…職人以上の腕前…料理は馬鹿みてぇに旨い…その上彫金までなさるたぁ…」 「お前たち…どうでも良いが仕事をせよ!」 「あ…!」 「あ…!ではないわ!たわけ!」 「「「すいやせん!」」」 仕方がないと…匠は作業を諦め… 大工たちの手伝いを始めた。 匠の仕事に大工たちは舌を巻く… 何時しか…匠は職人たちから大棟梁と呼ばれていた… 屋敷と母屋が出来た所で匠は集落から、松吉と利平、集落の子供三人を清須に呼び寄せた。 商売を始める為である。 大工たちは店の裏手に倉を建築している。
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