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春までの間、匠は集落と清須の藤徳屋を行ったり来たりしながら、各々に指示を与える。
春前に匠は小牧山のふもとに大きな土地を購入しその地に屋敷を建築し始める。
屋敷と言っても、匠が住む為の屋敷ではなく、藤徳屋で仕事に来ていた職人たちの住居兼工房である。
大工の棟梁である甚八を筆頭に石工、漆喰職人、建具職人、彫金師、鍛冶屋、工に携わる様々な職人たちが匠に弟子入りを志願した為に、匠は稼いだ銭を使い職人たちを一手に面倒をみる事になったのであった。
藤徳屋に作った、茶室は所謂モデルルーム的な物で藤徳屋を通して仕事が取れるようにしてあるのだ。
藤徳屋で建築の受注し甚八等が工事を請け負うと言う流れである。
清須や津島、熱田辺りから、ちらほらと茶室の受注が入るようになり、甚八らは忙しく働いている。
藤徳屋と甚八が施主と打合せを行い注文に合わせて匠が図面を引く
一行程終わる度に施主の感想や注文等を聞き入れ工事は行われるので、細かい部分まで施主の思い通りに建物が出来るので大変喜ばれているそうだ。
集落の子供たちは、農、工、商と働く場が増えたので集落の者たちも大変喜んでいる。
所謂、職業の選択が出来るのである。
商売がやりたいと言う者は小兵衛が面倒をみ、職人になりたいと言う者は甚八が面倒をみる。
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