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織田軍は意気揚々と退却を始めた。
清須の城に着くと首を取った者はその報告をする
いつもの如く匠は手柄首を皆足軽仲間に譲っているので足軽長屋に帰るのであった。
信長は帰参の後、手柄帳を確認する…
二百の長槍隊の足軽たちは皆同数の首を取ったと記してある…
信長は不信に思い柴田勝家を呼ぶ事にした。
「御召しにより参上しました!」
「権六よ、これを見てみよ」
手柄帳を勝家に差し出す信長
「拝見つかまつる!」
勝家は手柄帳を読み終え信長を見る。
「奮闘しせし長槍隊だが、一人躍り出た者は誰だか分かるか?」
「皆…あげた首が同数でござるな…」
「そこが解せぬのよ…」
「あれほどの活躍…明らかにここに記してある首では足りませぬな…」
「権六、隊の者を数人呼び出し吟味してみよ!」
「御意!」
柴田勝家は信長の元を辞して足軽長屋に向かった。
同数の首を取った者を数人集めて話を聞いた。
「その方等は皆同数の首をあげておるが、その方等の先陣を切りし者は誰か知りたい」
「「「……」」」
「巧みな槍さばきで騎馬隊や弓隊に単独で突っ込んでいった者がおったであろう?」
「「「……」」」
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