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「いや…しかし…」
「同じ足軽、上も下もない!わしが足軽頭になったら、様をつけて貰うがなっ!」
笑いながら言う匠
そんな匠に男として魅せられ惚れる者も多数いる事は事実なのだが、匠はそんな事を知る由もない…
「で?どうしたのだ?」
「実は…御家老様に呼び出されまして…」
呼び出され質問に正直に答えたと言う事を聞かされる。
「なぁに!わしらは何も悪い事はしておらん!堂々としておれば良い!」
「本当に良いのだろうか?」
「おぬしも働いたからその報酬を受ける権利があるのだ!皆で協力し手柄を分配する!当然ではないか?」
「だが…藤沢様は…いつも…」
「わしは良いのだ!武功をあげたくて織田に仕えている訳ではないからの!」
「じゃあ…何の為に…」
「そんな事より!今宵は戦勝の宴だ!呑め!呑め!」
匠はその者が持つ盃に酒を満たしてやる。
「ささっ!ぐっとあけよ!明るく呑んで敗れ命を落とした者の供養をしてやろうぞ!」
「お…おう!」
匠は酒を注いで回り料理が無くなれば台所に立ち料理を作りそれを薦める。
その宴は夜明け前まで続いたのであった。
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