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十日程して手柄をあげた者たちは各々褒美を賜る。
柴田勝家に打ち明けた者は胸を撫で下ろし安心した。
匠は相変わらずの通常運転で仲間とともに鍛練をし訓練をする。
余暇を利用し創作活動や様々な指図を与えていく。
徳兵衛も小兵衛も甚八も下級武士でしかない足軽などやめて長として専念してくだされと頼み込むが…
糠に釘…暖簾に腕押しでいつのまにやら話をかえられてしまうのだ…
そんなある日、清須のお城の織田信長は…悶々とした日々を送っていた…
藤沢某と言う者が気になって仕方がないのである。
主君であるのだから、呼びつければ良いのだが、信長にも意地があるのだ!
結局の所、高々足軽の思惑にまんまと嵌まった感が否めないのだ…
手柄が要らないとまで言う足軽ごときを呼ぶと言う行為がどうしても出来ないのだ…
呼んで問い質したい…だがそれを許せない…
苛々とした顔で天井を眺め鼻をほじる…
「何かございましたので?」
膝に信長の頭を抱えた信長の正室帰蝶の方が信長の顔を覗き込んだ。
「ちっ…何でもない…」
「まぁ…舌打ちしておいて、何でもないなんて…酷い殿だわ」
「むくれるな!お濃」
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