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先駆けの者が藤徳屋に赴き信長の来店を報せる!
藤徳屋の主、小兵衛は使いの者を匠の元に走らせる。
小兵衛と利平は店の前に並び信長を出迎える準備をする。
「ようこそお越し下さいました!藤徳屋の主の小兵衛と申します!どうぞお上がり下さいませ」
「うむ!」
信長は店の入り口に立ち陳列された品々を吟味する
「殿様、素敵な色の器がたくさんございます!」
「主よ!このような陶器がこの値で成り立つのか!?」
「はい、此方の商品は薄利多売でございますので 」
「薄利多売…?」
「数を売って儲けを出す事にございます」
「ほぉ…で?この器は何処で仕入れて来るのだ?」
「お殿様のお膝元でございます」
「尾張でかぁ!?」
「はい東側の山間の集落の産でございます」
器を手に取りそれをみる信長
「お殿様、先ずは御上がりになってゆっくりと御覧下されまし」
「…うむ」
信長は上がり次の間に通されるとそこには…先程の器が霞む程に見事な器が並んでいる…
「まさか…これも尾張の産とは言わぬよな?藤徳屋」
「間違いなく尾張の産でございます。ですが此方の器は私どもの長の作品でございます」
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