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色とりどりの薔薇が咲き誇る庭園
アーチ形のトンネルは薔薇のトンネルである
「なんて…素敵な香り…」
薔薇の香りに包まれうっとりとなる帰蝶
トンネルを越えると…
観た事のない建物が建っている。
匠が設計した赤煉瓦造りの建物である。
中に入ると西洋式の椅子とテーブルが置いてある。
「ようこそいらっしゃいませ!信長様、帰蝶の方様、どうぞお席に」
奥の席に信長を誘う
隣の席に帰蝶の方を椅子を引いて座らせる。
「招きにお応えいただきありがとうございます拙者は藤沢匠と申します宜しくお願いします」
名を聞いた瞬間!
信長が椅子から立ち上がる!
「おっ…おぬしが!」
「信長様、今の拙者は公私の私ですので」
なるほど…先程の藤徳屋の長としての面会とはそう言う事かと…
信長は静かに腰をおろす。
「今日は西洋式のお茶を振る舞いたくご用意させていただきました」
女中たちがクッキーとパンケーキを配膳する。
匠はティーポットから紅茶をティーカップに注ぎ注ぎ配膳する
「うむ…これは良い香りのする茶だのぉ…」
「ローズティーと言うお茶でございます」
「ろーずてぇー?」
「ローズは薔薇、ティーはお茶と言う意味の西洋の言葉でございます」
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