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「藤沢とやら、一つだけ問う！」
信長は真剣な眼差しを匠に向ける。
「はい」
匠は姿勢を改め信長の視線を正面から受け止める。
「おぬしは何を求めておるのだ？」
「一言で言うならば、のんびりとした生活ですかね」
微笑みながら言う匠
「のんびりと…した生活だと…」
「食うや食わぬやの生きる事に、食う事だけに日々追われる毎日ではなく、汗水流して仕事をし、余暇を思い思いに過ごせるような民の生活を民に過ごして貰いたいと考えております」
「故に…農工商を…」
「それらが充実すれば自然に国力が高まりましょうと…」
「あとはわしの器量だと申す気か？」
「いいえ天下は天が定めるかと」
「天下は天が…」
「はい、その時に一番秀でている者が天に選ばれるかと拙者は考えます！故に今は蓄える時期かと」
「蓄える？」
「はい、人、力、そして徳を！」
「おぬしは選ばれる為に尽力していると申すのか？」
「拙者ではなく、信長様がでございます！」
「わしを担ぐと言うのか？」
「担ぐなどと…拙者は微力ながらお手伝いをと勝手に致しているまでの事にございます」
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