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清須の城に戻った信長
信長の居間には対の着物が飾ってある
信長はそれを満足そうに眺める
「お濃、黒の着物を羽織ってみよ!」
帰蝶は黒の着物を羽織って信長の前でくるりと回る
「どうですか?」
「うむ…美しい…」
「私がですか?」
「…両方だ!」
「まぁ…」
その夜…対の着物に舞う蝶の如く…
二人は夜を舞う…
その頃、匠は藤徳屋で新たな指示を出していた。
「小兵衛、利平、宜しく頼む!」
「何を水臭い事を!我らをここまでにして下さったのは、藤沢様です!藤沢様の為なら労は惜しみません!のう利平どん」
「小作人であるあたしを引き上げて下さった藤沢様のお役に立てるならばあたしは何でもいたします!」
「ありがとう!ではわしは長屋に帰るから、何かあれば繋ぎを頼む!」
「心得てございます」
匠は何事もなかったかのように清須の足軽長屋に戻った。
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