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柴田勝家率いる本陣及び信長から預かった鉄砲隊二百が武器や鉄砲を捨て甲冑まで脱ぎ捨て木曽川を渡ろうとする…
木曽川には次々と織田方の兵が川で討たれて遺体が浮いている状態である…
命辛々の撤退戦…
いや…一方的な殺戮戦である…
だが…その瞬間!
戦場に異変が起きる!
墨俣の河原にて一個の円陣が組まれたのだ!
円陣の中央には、墨俣に城を築くために連れてこられた職人たちが身を竦めている…
円陣の内側から四方八方に石礫が飛ばされ始めた!
その石礫をくらいし斎藤軍が遠巻きに円陣を囲む…
すると!
円陣の川側の方が形を変え鶴翼の形になる!
上から見ると三日月の形に見えるだろう!
川側に居た斎藤軍は背水の陣の形になり次々と長槍の餌食になる…
美濃側の軍勢は織田勢を挟み撃ちにしようと押し出すが…槍襖と内部からの石礫の攻撃に為す術なく見ているだけの状態に陥る!
川側の奇襲部隊は少数なので…川に逃げ込む他に為す術がない…
攻守が替わった!
三日月の形が何時しか魚鱗の陣形に変化し美濃側の斎藤軍に襲い掛かる!
先頭に立つのは勿論、藤沢匠である!
声を出す事なく粛々と斎藤方の兵を討つ匠を補助するように足軽たちも奮闘する!
斎藤軍を指揮する武将はここで撤退の命を下す…
匠は深追いをせず、陣形を保ちながら後部の者たちに撤収の指示を出す!
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