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時代はかなり迷ったが、やはり戦国時代を選ぶ事にした。
幕末から明治維新にかけての時代も捨てがたいが…やはり戦国室町時代末期を選んだ!
桶狭間の戦いをこの目で観たいと思い桶狭間の戦いの辺りにとお願いしたのが悪かったようで…
匠は…戦国室町時代末期、桶狭間の戦いの真最中の今川義元が討たれる本陣が良く見下ろせる山の中腹に転生を果たしたのであった…
しかも全裸でである…
正に裸一貫である…
うん…笑えない…
土砂降りの雨の中、樹の影に身を隠し桶狭間の戦いを鑑賞する匠…
雨で体温を奪われてか…目の前で起きている戦闘風景を見てなのか…
カタカタと歯の鳴る音が止まらない…
その音で見つかっては困ると思い思いきり歯を食い縛り耐える匠…
やがて…戦闘が終わり勝鬨を挙げて引き上げていく織田勢を見送ると直ぐに本陣に降り長持ちに入っていた着物を失敬して着る!
次いでと言ってはなんだが、今後の為に本陣にある金目の物等をかき集め本陣の側に繋がれていた馬に積み込み、織田勢に追い付かない程度の早さで田楽桶狭間を後にした匠であったのである。
集落の長である徳兵衛に話した事は粗方が作り話で天涯孤独である事とこの時代で言う所の武蔵の国の出身である事、そして名前だけが本当の事である。
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