1184人が本棚に入れています
本棚に追加
/321ページ
翌月になり…またもや信長の命により、佐久間氏の指揮の元、墨俣に赴く織田軍…
匠も洩れなく従軍しているが…どうも様子が違う…
五日目になっても墨俣に斎藤軍が現れないのだ…
匠はその事情を知っているが…それは口に出さずにいる。
六日目の夜になり夜襲にて斎藤軍が攻めて来た!
出来上がったばかりの柵に突き刺さる火矢…
柵には油の入った壺がぶつけられて柵はごうごうと燃え盛っている!
柴田勝家とは正反対に、退き佐久間と謂われているだけあって速やかなる退陣を見せる佐久間氏…
匠は出しゃばる事なく粛々とその指示に従い尾張へと退却するのであった。
その頃…美濃の稲葉山城では竹中半兵衛が憤慨していた…
半兵衛は主君龍興に
「城を築かせてから奪うが得策である」
と進言して一度は龍興は頷いたのである…
それが、他の者の讒言
「竹中半兵衛は織田方に通じておるから城を築かせている」
と言う話を鵜呑みにし龍興は墨俣の攻撃を命じたのであった!
それをいち早く知った半兵衛は龍興を説得しようと稲葉山城に向かうが…龍興は半兵衛に面会すら許さなかった…
半兵衛は目の前が真っ暗になった…
最初のコメントを投稿しよう!