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半兵衛が憤慨していた事は…直ぐ様龍興に注進が及ぶ…
龍興は益々半兵衛に猜疑心を抱くようになる…
半兵衛はその内情を知り得ると…弁解に稲葉山城に赴くが、会う事すら許されない…
思い切って強引に龍興の居間に乗り込む半兵衛…
「面会を許した覚えはないっ!下がれ下郎!」
持っていた盃を半兵衛に投げ付けどんよりとした瞳で睨み付ける龍興…
昼間から酒に溺れているのである…
半兵衛は横面を殴られた思いであった…
主君である龍興が…ここまで堕落しているとは…夢にも思わなかったのである…
「主君の命を聞けぬ愚か者めっ!才があるか知らんが、高々菩提山城位、いつでも攻め滅ぼしてくれるぞ!」
憎々しく嫌な笑みを浮かべ半兵衛に投げ掛ける言葉…
堕落…慢心…そして家臣を辱しめる言葉…
半兵衛は拳を握り締めたまま平伏し…その場を去るのであった…
帰ると直ぐに稲葉山城に自らの謹慎の届けを出し菩提山城を閉ざし謹慎した。
だが…その腹は煮えたぎっている…
だが…今は何をしても徒労に終わるのがわかるので静かに謹慎するのみであると…
半兵衛は読書三昧の日々を過ごすのであった…
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