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「墨俣の一夜城」
一夜にしていきなり城が現れたと美濃の者たちは騒いだ!
しかも…作ったのが織田方の足軽組頭と言う低い身分の者だと言う…
「織田方の低い身分の者は優れている」
美濃始め近隣の武家たちはそう認識するようになった。
美濃の武家たちは、この先主君である龍興がどうするのか?注目をしている。
この頃には、斎藤家は意見を言えば遠ざけられるのが当たり前となってしまっていた…
なので誰も何も言わない…ただ様子を見るのであった!
庇護なきは主君に在らず!
主家は配下の者を守り、配下の者は主家の為にと奉公する。
この時代の領主たちは主家が頼るに値しなければ、主家を替える事などは当然として行う者も多数いる。
武家は「家の存続」「後世に名を残す」事に最も重きをおくのが普通なのである。
忠誠心は守られていると言う前提に於いて成り立つ物であるのだ!
龍興の出方次第で美濃の武家はどちらに靡くか…
龍興は忘れているのだ…
己は担がれて主君であると言う事を…
蝮の道三から三代…
生まれながらにして上に立つ者であった龍興には、上に立つと言う事の努力や苦労を知らないのである!
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