水面下の策略戦

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半兵衛は、速やかに主君斎藤龍興に城を返し、自らは隠居する事を決意した! でなければ、汚れてしまうと思うに至ったのだ! 織田方から、美濃半国で稲葉山城を譲れと交渉に来た木下藤吉郎も追い返した… このままでは…誰かが暴発して収拾がつかなくなる恐れもある。 主家である斎藤家を滅ぼしたのは、「竹中半兵衛」のせいであると言われるのが…今一番恐ろしい… 美濃三人衆がいつ半兵衛を裏切るかも分からない… 今、半兵衛を討てば…稲葉山城は三人衆の自由になるのだ! 主家への下剋上ではなく、主家に反逆した者を討ったと言う大義名分もある… 龍興を城に迎える振りをして龍興さえも亡き者にする事すら安易に出来るだろう… 半兵衛は秘密裏に行動を開始した… 密かに龍興と連絡を取り城を返す旨を伝える… ここで、三人衆に知られては、どんな横槍が入るか分からないから…事は慎重を要する! 半兵衛が城に居ては龍興は絶体に城には戻らぬだろうと…半兵衛は速やかに城を退去した! 龍興の名代と名乗る者に…城の引渡しを速やかに済ませて… 半兵衛はその者の顔を見た事はなかったが、半兵衛が送った龍興への手紙を持参していたので、それを証しとして城を受け渡し速やかに退去した… 「秘密裏に」と「速やかに」が半兵衛の判断を鈍らせたのだ…
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