戦乱の中に…

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余程疲れていたのであろう…柱に寄り掛かりながら寝てしまった匠… その目元には年老いた祖父母を思い流した涙の後が残っていた。 転生する直前に…最後の願いとして、残してきた祖父母の幸せをと頼んだが…それを確める術は匠にはない… 翌朝、離れに来た徳兵衛は柱に寄り掛かりながら涙の跡を残し眠っている匠の姿を見る… 徳兵衛はその姿を見て…まだ幼さが残る歳であろう匠に思い入れを強くするのであった。 徳兵衛は匠を起こさぬようにそっと部屋を後にするのであった。 匠が起き出したのは、それから一刻あまり経った頃であった。 起きて裏庭にある井戸で水を汲み顔を洗う。 「ふぅ…」 顔を洗いさっぱりとした表情の匠 「おはようございます藤沢様、良く休めましたかな?」 匠に声を掛けてきた徳兵衛 「やぁ!徳兵衛殿、おはよう!久し振りにゆっくり休めた心持ちだよ!」 「それは…ようございました…朝飯が出来ておりますので!ささっ!母屋の方で…」 「あぁ、ありがとう!」 匠は手拭いで顔を拭きながら徳兵衛に続いて母屋に向かうのであった。 朝食は何かの穀物の雑炊であった。 ぷちぷちとした食感が面白い。 中々甘味もあり旨いと思った匠であったが、この時代はそれほどに豊かではないはずと思い出し、お椀一杯で遠慮をした。
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